メインコンテンツに移動
デザイン案件

第2回 デザイン案件の獲得を営業の面から考える

目次

 

3. 具体的な営業手法と事例

デザイン案件の獲得には、多様なチャネルを活用した営業活動が重要です。ここでは、特に効果的な3つの手法と、具体的な事例を挙げながら解説します。

(1) 関係構築重視:既存顧客からの紹介・口コミ獲得

既存顧客との良好な関係性は、新規顧客獲得の大きな助けとなります。満足度の高い顧客は、口コミや紹介を通して新たなビジネスチャンスをもたらしてくれます。

手法

内容

事例

ポートフォリオ作成

顧客成功事例をまとめたポートフォリオを作成し、視覚的に訴求力の高い資料を用意

Webサイト、モバイルアプリ、システムUIなど、様々なデザイン事例を掲載。顧客の課題、解決策、成果を具体的に示すことで、実績と信頼性をアピール

顧客向けセミナー開催

最新のデザイントレンドや技術に関するセミナーを開催し、顧客との接点を深める

UI/UXデザインの重要性や、システム開発におけるデザインの役割などをテーマにセミナーを実施。顧客の抱える課題を共有し、解決策を提案することで、新たなニーズを発掘

(2) デジタルマーケティング:Webサイト、SEO対策、コンテンツマーケティング

Webサイトやデジタルコンテンツを活用したマーケティングは、潜在顧客へのリーチを広げ、見込み顧客を獲得するための重要な施策です。

手法

内容

事例

専門性の高いブログ記事作成

特定の業界や技術に特化したブログ記事を作成し、専門性をアピール

金融業界向けシステムのUI/UXデザイン事例や、製造業向けIoTシステムのデザインにおける注意点などを解説する記事を掲載

デザイン思考を取り入れたUI/UX事例紹介

デザイン思考のプロセスや、その成果物を具体的に紹介するコンテンツを作成

ペーパープロトタイピングやデジタルプロトタイピングを活用したUI/UXデザイン事例を紹介。顧客のビジネス課題をどのように解決したか、具体的なプロセスを交えて解説

(3) 戦略的パートナーシップ:異業種企業との連携

異業種企業とのパートナーシップは、新たな顧客層へのアクセスを可能にし、ビジネスの拡大に貢献します。

手法

内容

事例

マーケティング会社との協業

マーケティング会社と連携し、リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)を強化

デジタルマーケティングに強い企業と協業し、Web広告やSEO対策などを実施。効率的に見込み顧客を獲得

システム開発会社との協業

システム開発会社と連携し、大規模な案件受注を目指す

システム開発に強みを持つ企業と協業し、デザインとシステム開発を統合した提案を実施。顧客にとってワンストップでソリューションを提供

これらの手法を効果的に組み合わせ、顧客との良好な関係を築きながら、ビジネスチャンスを最大化していくことが重要です。

(1) 関係構築重視:既存顧客からの紹介・口コミ獲得

既存顧客との良好な関係性は、新規顧客獲得よりもはるかに効率的で効果的な営業活動につながります。なぜなら、既存顧客は既に御社の実力や信頼性を理解しているからです。彼らからの紹介や口コミは、新たな顧客獲得の強力な武器となります。

既存顧客からの紹介は、見込み顧客の獲得コストを大幅に削減できます。紹介された顧客は、既に御社への信頼感を持っているため、営業活動にかかる時間や労力を節約できるからです。また、口コミによる評判は、御社のブランドイメージ向上にも大きく貢献します。インターネット上でのレビューやSNSでの拡散は、不特定多数の潜在顧客へのアプローチを可能にします。

紹介・口コミによる営業活動を成功させるには、まず既存顧客との良好な関係構築が不可欠です。顧客満足度を高めるためには、プロジェクト完了後も定期的な連絡やフォローアップを行い、顧客のビジネス状況の変化や新たなニーズを把握するよう努めましょう。

顧客との良好な関係性を築くための具体的な施策を以下に示します。

施策

説明

効果

顧客成功事例集の作成と配布

顧客の課題解決にどのように貢献したかを具体的に示す事例集を作成し、既存顧客や見込み顧客に配布する

御社の実績と信頼性をアピールし、新規顧客獲得の促進につながる

顧客向けセミナー・ワークショップの開催

デザインやシステム開発に関する最新情報やノウハウを提供するセミナーやワークショップを開催する

顧客との接点を増やし、関係性を深める。顧客の潜在的なニーズを把握する機会にもなる

個別相談会の実施

顧客の抱える課題やニーズをヒアリングし、最適なソリューションを提案する個別相談会を実施する

顧客との信頼関係を構築し、個別のニーズに合わせた提案を行うことで、成約率向上に貢献する

ニュースレター・メールマガジンの配信

定期的に有益な情報を配信することで、顧客との継続的な接点を維持する

顧客との関係性を維持し、新たなニーズ発生時に御社を想起してもらうきっかけを作る

これらの施策を通じて、顧客との良好な関係を構築し、紹介や口コミによる新規顧客獲得を目指しましょう。

- 事例:顧客成功事例をまとめたポートフォリオ作成、顧客向けセミナー開催

既存顧客との良好な関係性は、新規顧客獲得の大きな基盤となります。デザイン事業部の営業においても、既存顧客からの紹介や口コミは非常に強力な武器となるでしょう。その鍵となるのが、顧客成功事例を効果的に活用することです。顧客成功事例は、見込み客へ提供する価値を可視化し、信頼感を高めるための重要なツールです。

顧客成功事例をまとめたポートフォリオは、デザイン事業部の営業活動において重要な役割を果たします。質の高いポートフォリオは、潜在顧客への訴求力を高め、受注確度の向上に貢献します。以下に、ポートフォリオ作成のポイントと顧客向けセミナー開催の利点を示します。

項目

内容

顧客の課題

プロジェクト開始前に顧客が抱えていた課題を明確に記述します。

ソリューション

課題解決のために提供した具体的なデザインソリューションを説明します。UI/UXデザインの改善、ブランディング、Webサイト制作など、多岐にわたるデザインソリューションを提示することで、事業部の幅広い対応力をアピールできます。

成果

プロジェクト実施によって得られた成果を定量的に示します。Webサイトへのアクセス数増加、コンバージョン率向上、ブランド認知度向上など、具体的な数値を提示することで、デザインの効果を客観的に示すことができます。顧客のビジネスに貢献した実績を示すことで信頼感を高められます。

顧客の声

プロジェクトに対する顧客の感想や評価を掲載します。顧客の喜びの声は、信頼性を高めるだけでなく、共感を生み出し、他の見込み客にも同様の成功体験を期待させる効果があります。

デザインサンプル

実際のデザインサンプルを掲載することで、デザインのクオリティを視覚的に訴求します。Webサイトのデザイン、ロゴ、アプリケーションUIなど、視覚的に訴求力の高いサンプルを掲載することで、顧客の関心を高めることができます。

顧客向けセミナーは、潜在顧客へのアプローチとして有効です。セミナーを通じて、デザインのトレンドや最新技術、成功事例などを共有することで、顧客の理解を深め、デザインの価値を再認識してもらう機会を提供します。例えば、UI/UXデザインの重要性や効果的なWebサイト構築方法などをテーマにしたセミナーは、顧客のビジネス課題解決に役立つ情報を提供し、デザイン事業部への信頼感を高めることに繋がります。セミナー後の個別相談会などを実施することで、具体的なニーズを把握し、提案につなげることも可能です。

これらの活動を通じて、顧客との良好な関係を構築し、紹介や口コミによる新規顧客獲得を目指しましょう。

 

参考資料:DX & AI Forum 2024 Summer 東京 (https://www.sbbit.jp/eventinfo/80377)

(2) デジタルマーケティング:Webサイト、SEO対策、コンテンツマーケティング

システム会社デザイン事業部がWebサイトを通してデザイン案件を獲得するためには、SEO対策とコンテンツマーケティングが重要です。SEO対策とは、検索エンジンで上位表示されるようにWebサイトを最適化することです。コンテンツマーケティングとは、顧客にとって価値のあるコンテンツを提供することで、顧客との関係を構築し、最終的に案件獲得につなげるマーケティング手法です。

SEO対策とコンテンツマーケティングは相互に関連しています。価値のあるコンテンツを作成し、SEO対策を施すことで、検索エンジンからの流入を増やし、多くの潜在顧客にアプローチできます。

SEO対策においては、ターゲットキーワードの選定が重要です。顧客がどのようなキーワードで検索しているかを分析し、Webサイトのコンテンツに適切なキーワードを含めることで、検索エンジンのランキングで上位表示されやすくなります。

コンテンツマーケティングでは、顧客のニーズに合わせた高品質なコンテンツを提供することが重要です。例えば、デザインのトレンドや事例、顧客の成功事例などを紹介するブログ記事や、デザインに関するノウハウを提供するホワイトペーパーなどを作成することで、顧客の関心を引きつけ、信頼関係を構築できます。

項目

説明

対策例

コンテンツSEO

ユーザーにとって価値のあるコンテンツを制作・発信することで、検索エンジン経由でコンテンツに興味を有するユーザーを集客する

・ターゲットユーザーを設定する ・ペルソナを設定する ・キーワードを選定する ・高品質なコンテンツを制作する ・定期的な分析をする ・コンテンツの改善を継続する

テクニカルSEO

Googleの推奨するルールに従ってWebサイトを制作・運用することで、Googleに対して情報を正しく伝えることで、検索エンジンで上位表示されやすくする

・基本的なタグを設定する ・コアウェブバイタルに適合したコーディングをする ・サイト構造を最適化する ・内部リンクビルディングを構築する ・外部リンクを獲得する ・サイテーションを増やす

コンテンツの質を高めるためには、E-E-A-Tを意識することが重要です。E-E-A-Tとは、経験(Experience)、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)の頭文字を取ったものです。コンテンツにこれらの要素を含めることで、Googleからの評価が高まり、検索エンジンのランキングで上位表示されやすくなります。

また、Webサイトのデザインも重要です。見やすく、使いやすいWebサイトを構築することで、顧客の満足度を高め、案件獲得率の向上に繋がります。レスポンシブデザインに対応し、モバイル端末でも快適に閲覧できるようにすることも重要です。

SEO対策とコンテンツマーケティングを効果的に組み合わせることで、システム会社デザイン事業部はWebサイトを通してより多くのデザイン案件を獲得できるようになります。

- 事例:専門性の高いブログ記事作成、デザイン思考を取り入れたUI/UX事例紹介

デジタルマーケティングにおいて、Webサイトやブログ記事は重要な役割を担います。特に、専門性の高いブログ記事は、潜在顧客へのリーチを広げ、企業の信頼性を高める上で効果的です。ここでは、システム会社デザイン事業部がブログ記事で発信すべき情報と、デザイン思考を取り入れたUI/UX事例紹介について解説します。

まず、ブログ記事で発信する専門性の高い情報として下記のようなものが考えられます。

  • 特定業界の動向や課題に対するデザインソリューション

  • 最新のデザイントレンドやテクノロジーの解説

  • UI/UXデザインのノウハウや効果検証結果

  • システム開発と連携したデザイン事例

  • 自社が手がけたプロジェクトの裏側や成功談

これらの情報を発信することで、顧客は貴社の専門性や実績を理解し、信頼感を抱くことができます。結果として、問い合わせや案件獲得に繋がる可能性が高まります。

次に、デザイン思考を取り入れたUI/UX事例紹介についてです。デザイン思考とは、顧客中心のアプローチで課題解決を行う手法です。この手法をUI/UXデザインに取り入れることで、ユーザーにとって本当に使いやすいシステムを構築できます。ブログ記事では、デザイン思考のプロセスを具体的に示し、UI/UXデザインがどのように改善されたかを紹介することで、顧客への訴求力を高められます。

例えば、以下のような表を用いて、デザイン思考のプロセスとUI/UXデザインの改善点を示すことが有効です。

プロセス

内容

UI/UXデザインへの反映

共感

ユーザーインタビューを実施し、ニーズや課題を把握

ユーザーが抱える問題点を明確化

問題定義

課題を具体的に定義

解決すべき課題を明確に設定

発想

多様なアイデアを創出

複数のUI/UXデザイン案を作成

プロトタイプ

試作品を作成

ユーザーテストを実施

テスト

試作品をユーザーに試用してもらい、フィードバックを得る

UI/UXデザインの改善点を抽出

このように、デザイン思考のプロセスを可視化することで、顧客はUI/UXデザインにおける貴社の取り組みを理解しやすくなります。さらに、具体的な事例紹介を通して、UI/UXデザインの改善効果を数値で示すことで、説得力が増し、顧客の購買意欲を高めることが期待できます。

(3) 戦略的パートナーシップ:異業種企業との連携

近年のビジネス環境は、顧客ニーズの多様化とデジタル化の加速によって、企業単独での事業展開が困難になりつつあります。システム会社デザイン事業部においても、この流れは例外ではありません。他社との差別化を図り、競争優位性を築くためには、異業種企業との戦略的パートナーシップが不可欠です。ここでは、その重要性と具体的な連携事例、成功のポイントについて解説します。

異業種連携のメリットは、それぞれの企業が持つ強みを掛け合わせることで、新たな価値を創造できる点にあります。デザインとシステム開発の両面で顧客のニーズに応えるためには、多様な専門知識と技術が必要です。例えば、マーケティング会社との連携により、顧客獲得のための戦略立案やリードジェネレーションを強化できます。また、コンテンツ制作会社との協業で、高品質なデザインコンテンツを制作し、顧客への訴求力を高めることも可能です。さらに、システム開発会社との連携は、大規模プロジェクトへの対応や最新技術の導入を可能にし、事業領域の拡大に貢献します。

連携先

メリット

事例

マーケティング会社

顧客獲得戦略の強化、リードジェネレーション

共同でターゲット顧客に合わせたWebマーケティングキャンペーンを実施

コンテンツ制作会社

質の高いデザインコンテンツ制作、訴求力向上

企業ブランディングのための動画制作、Webサイトコンテンツ制作

システム開発会社

大規模プロジェクト対応、最新技術導入、事業領域拡大

共同でAIを活用した顧客管理システムを開発

成功するパートナーシップ構築には、互いの強みを理解し、共通の目標を設定することが重要です。また、円滑なコミュニケーションと情報共有も欠かせません。定例会議やプロジェクト管理ツールを活用し、進捗状況や課題を共有することで、連携をスムーズに進めることができます。

顧客にとって真に価値のあるサービスを提供するには、多様なニーズに対応できる体制が必要です。異業種企業との戦略的パートナーシップは、その実現を可能にする強力な手段となります。それぞれの強みを活かし、協調することで、新たなビジネスチャンスを創出し、持続的な成長を実現できるでしょう。

- 事例:マーケティング会社との協業でリード獲得、システム開発会社との協業で大型案件受注

システム会社デザイン事業部が案件を獲得するには、戦略的パートナーシップの活用が有効です。ここでは、マーケティング会社およびシステム開発会社との協業事例を紹介します。

1. マーケティング会社との協業でリード獲得

デザイン事業単体ではリーチできない潜在顧客へのアプローチを可能にするのが、マーケティング会社との協業です。マーケティング会社は市場分析、ターゲット設定、効果的なプロモーション手法などを熟知しています。

項目

内容

目的

潜在顧客へのリーチ拡大、リード獲得

協業内容

Webマーケティング、コンテンツマーケティング、セミナー共催など

効果

専門知識に基づいた戦略立案による効率的なリード獲得

事例

UXデザインに特化したデザイン事業部が、Webマーケティング会社と協業。SEO対策やリスティング広告、ターゲットに合わせたコンテンツ制作により、リード獲得数を大幅に増加。

2. システム開発会社との協業で大型案件受注

システム開発会社との協業は、デザインとシステム開発を統合した包括的な提案を可能にし、大型案件の受注に繋がります。

項目

内容

目的

包括的なサービス提供による大型案件受注

協業内容

システム開発とUI/UXデザインを組み合わせた提案

効果

顧客のニーズにワンストップで対応可能

事例

ECサイト構築に強みを持つシステム開発会社と協業し、デザイン性の高いECサイト構築を提案。システム開発会社が獲得した顧客に対し、UI/UXデザインを提供することで、顧客満足度を高め、大型案件を受注。

 

続き: 第3回 他社と差をつける!システム会社デザイン事業部のための【効果的な営業戦略】事例集

 

これらの協業は、互いの強みを活かし、相乗効果を生み出すことで、新たな顧客獲得や事業拡大に貢献します。適切なパートナーを選択し、戦略的に協業を進めることで、デザイン事業部の成長を加速させることができるでしょう。

記事一覧へ戻る